ニュースや中学受験の時事問題で、「バイオエタノール」という言葉を目にしたことはありませんか?
「なんとなく環境にいい燃料らしい」というイメージはあっても、
「具体的には何から作られるの?」
「どうして環境にやさしいの?」
って聞かれると、意外と答えるのは難しいものです。
実は、バイオエタノールをちゃんと理解するためには、「バイオ」や「バイオマス」という言葉も一緒に知っておくことが大切です。
この記事では、小学生でも理解できるように、図を思い浮かべながら読めるようなイメージで解説していきます。ぜひ最後まで読んで下さいね!
1. 「バイオエタノール」とは?〈ざっくり結論編〉
まずは結論から。
バイオエタノールとは、植物などの生き物(バイオマス)から作られる燃料用のアルコールです。
ガソリンの代わりに使ったり、ガソリンと混ぜて使ったりすることで、自動車などを動かす燃料として利用されています。
石油のように地中から取り出す燃料ではなく、植物を育てて作ることができるため、地球温暖化対策として世界中で注目されています。
ただし、「環境にいい燃料」と言われる一方で、解決しなければならない課題もあります。
では、「バイオエタノール」とはどのようなものなのか、一つずつ見ていきましょう。
2. 「バイオエタノール」とは?〈しっかり深掘り編〉
2-1. 「バイオ」とは?
「バイオ(bio)」とは、「生命」や「生き物」という意味の言葉です。
例えば、
- バイオテクノロジー(生き物の力を利用する技術)
- バイオ燃料(生き物から作る燃料)
などにも使われています。
つまり、「バイオエタノール」の「バイオ」は、「生き物から作られた」という意味なのです。
2-2. 「バイオマス」とは?
では、その「生き物」とは何でしょうか。
これは具体的に言えば、
- サトウキビ
- トウモロコシ
- 稲わら
- 木材
- 木くず
- 古紙
などです。
これらの「生き物」からつくられた資源のことを「バイオマス」といいます。
つまり、「植物や木などの”生き物”からできた資源」をまとめてバイオマスと呼ぶのです。
2-3. 「バイオエタノール」とは?
バイオエタノールは、このバイオマスを利用して作られます。
例えば、サトウキビやトウモロコシに含まれる糖分やデンプンを発酵させると、アルコール(エタノール)ができます。
そのエタノールを燃料として利用したものが、バイオエタノールです。
流れをまとめると、
植物(バイオマス)
↓
発酵させる
↓
エタノールができる
↓
自動車などの燃料になる
という仕組みです。
3. バイオエタノールはなぜ環境にやさしいの?
ここが一番大切なポイントです。
植物は成長するときに、空気中の二酸化炭素(CO₂)を吸収しています。
そして、その植物から作ったバイオエタノールを燃やすと、二酸化炭素が空気中へ戻ります。
「あれ?結局二酸化炭素を出しているじゃないか」と思うかもしれません。
しかし、その二酸化炭素は、もともと植物が成長するときに吸収したものです。
つまり、
植物が吸収するCO₂
↓
バイオエタノールになる
↓
燃やしてCO₂が戻る
という循環になっています。
この考え方をカーボンニュートラルといいます。
もちろん、植物を育てたり、工場で加工したり、運んだりするときにも二酸化炭素は出ます。
そのため、「まったく二酸化炭素を出さない燃料」というわけではありません。
それでも、石油だけを使う場合より、環境への負担を小さくできると期待されています。
4. バイオエタノールのメリット・デメリット
4-1. バイオエタノールのメリット
① 地球温暖化対策になる
二酸化炭素の排出量を減らせる可能性があるため、温暖化対策として期待されています。
② 石油に頼りすぎなくてよくなる
日本は石油の多くを外国から輸入しています。
バイオエタノールを利用すれば、石油だけに頼らない社会づくりにつながります。
③ 何度でも作ることができる
石油は限りある資源ですが、植物は毎年育てることができます。
そのため、再生可能なエネルギーとして注目されています。
4-2. バイオエタノールのデメリット
① 食料との競合が起こる
トウモロコシやサトウキビは、人間や家畜の食べ物でもあります。
燃料づくりに使いすぎると、食料が不足したり、価格が上がったりする可能性があります。
② 森林伐採につながることがある
より多くの植物を育てるために森林を切り開くと、生き物のすみかが失われるなど、新たな環境問題が起こることがあります。
③ 製造コストが高い
木材や稲わらなどから作る「次世代バイオエタノール」の研究も進められています。
しかし、まだ製造コストが高く、広く普及するには技術の進歩が必要です。
5. 中学受験での出題例
慶應中等部 2017年度社会
慶應中等部の2017年度(平成29年度)の社会では以下のように出題されました。
【慶應義塾中等部2017】
以下の空欄に当てはまる語句をカタカナ10字以内で答えなさい。
「ブラジルでは環境問題を話し合う国際会議が過去に数回開かれ、最近ではさとうきびを使った とよばれる石油代替燃料の生産がさかんです。」
「さとうきびを使った」、「石油代替燃料」という点から、バイオエタノールであることはすぐに分かるでしょう。
6. 最後に。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このブログでは、「中学受験のため」だけではなく、学ぶことそのものが少し好きになるような記事を発信しています。
社会は、暗記するだけの教科ではありません。
「どうしてそうなったんだろう?」
「このニュースは、昔の出来事とどうつながっているんだろう?」
と考えながら学ぶことで、社会はどんどん面白くなっていきます。
そして不思議なことに、社会を楽しみながら深く学べるようになると、知識が自然と身につき、どんどん自発的に学ぶようになり、結果として実際の入試でも得点できるようになっていきます。
僕自身の指導方針としても、「合格最低点を超えること」といった目標にするような指導はしていません。
社会という教科を好きになり、自分から興味をもって学び続けられるようになること。その結果として、合格点を取ることはもちろん、受験生の中でも上位の得点で合格できることを目指すことを指導方針としています。
もし、
- 中学受験の勉強方法について相談したい
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一緒に、「暗記する社会」ではなく、「知ることが楽しくなる社会」を目指していきましょう!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
